沖縄の伝統染織に根ざして生まれた手織りの美と技法
沖縄が育んだ手織技法
市松花絽織&彩絣
- B5判変型
- 120頁(オールカラー)
- 定価:3,300円(送料 100円)
- ISBN 978-4-915374-65-4
蒼い海と珊瑚礁が広がる沖縄・八重山諸島。そんな風土の中で生まれた独自の手織技法「市松花絽織」。市松に配列されたもじり織・絽と花織の可憐な文様が響き合い、洗練された美しさをたたえる、石垣島在住の染織作家・深石美穂(日本工芸会正会員)の創案した織物である。島の自然に培われた染料植物で染められた豊潤な色彩により、幾何学模様を構成する「彩絣」とあわせて、その作品の魅力をカラー図版で紹介し、八重山の自然と文化に包まれながら制作される草木染と手織りの技法を、わかりやすく詳細に解き明かす!
【本書の主な内容】
作品図版
市松花絽織/絽織
彩絣織/ロートン織
インテリア作品
技法
絹糸と精練・糸繰り・糸撚り
シイの葉から染液を煮出す
緯絣括り/緯絣糸のシイ染
彩絣の段階染め・コチニール
ヤエヤマアオキ/木藍(インド藍)
沈殿藍作り/琉球藍の生葉染
クール/貝紫/フクギ/クサギの実
ガジュマル
沖縄の絣
花織の花綜絖作り
経ずらし絣の山なみ表現
ビーマ柄の丸文表現
市松花絽織の機拵え
沖縄南風原機の改造版
市松花絽織の仕組み/織のコツ/織方図
工房の日々と風物
うるずん工房/近年の石垣島の養蚕と蚕糸
ある日のお話/八重山の宝/工房の浜下り
西表島キャンプ旅/染織の道の入口
からん工房の始まり/来夏世の五穀豊穣祈願
影の美しさと市松花絽織/ミーニシの工房
【深石美穂プロフィール】
武蔵野美術大学でデザインを学ぶ。40年前に自然の中での暮らしをもとめ石垣島に移住。新絹枝氏、大城志津子氏などから沖縄の伝統織物を学ぶ。1982年「からん工房」を設立、草木染絣織を制作する。八重山で育つ天然染料による染色、生繭の座繰りなどを研究し、1993年に独自の草木染生繭布「川平織」の創作を始める。2003年頃から独自の織物「市松花絽織」を創案、「彩絣」とともに制作に取り組む。全日本新人染織展で佳賞(95年)、沖縄県工芸公募展で最優秀賞(97年)、西部工芸展で朝日新聞社銀賞(99年)、沖展で奨励賞(03年)、日本伝統工芸染織展で日本工芸会会長賞(06年)、文化庁長官賞(11年)、沖展でうるま市長賞(13年)など数多くの受賞を重ねる。2019年沖縄タイムス芸術選奨奨励賞受賞。現在、日本工芸会正会員、「からん工房」主宰