「かならず織れる!」 手織り上達のための徹底アドバイス
絣からもじり織まで
手織りの実技工房
- B5判 ジャケット付
- 209頁(カラー12頁)
- 定価:4,180円(送料 100円)
- ISBN 4-915374-39-4
たんに手織り技法の手順を解説するだけでなく、手織りを学ぶ上でつまずきやすい点を解決する方法や、上達のための秘訣など、著者が40年に及ぶ手織り教育の経験から得たすべてのノウハウを懇切丁寧に解き明かす、ほかにない手織りの技法書です。機にさわったことのない初心者はもちろん、技法の幅を広げたい、織物の質を上げたいなど、手織りにたずさわるすべての人が活用できるテクニックや工夫が満載されています。
【著者プロフィール】 西陣で生まれ育った染織家。吉田手織工房を主宰し、全国各地で手織り教室を開講、これまで多くの染織家を育てた。「必ず織れます」が信条で、実際、まったくの初心者が、初めから絣の紬織着物などを織り上げて作品展に出品する例は珍しくない。
詳しい内容
はじめに
作品カラー口絵
①手織りの準備
- 作業にかかる前に―用途を決める・デザインする・素材を決める・整経長や筬通し幅の導き方と糸量の計算・残糸の長さを手早く知る方法
- 精練―木綿糸を精練する場合・絹糸を精練する場合・灰汁練り
- 染色―染色・むら染めの作り方・もつれない染色法・水洗いと乾燥
- 糊付け―絹糸の糊付け方・玉糸の糊付け方・木綿糸の糊付け・つぼ糊・糊の性質
- 糸巻き(糸繰り)―綛を分ける便利な方法
- 整経―手延式整経・ドラム式整経
- 織機に経糸をかける―綜絖通し・筬通し・経糸の張りを整える
②手織り上達の秘訣
- 実際に織る―踏木・綜絖・筬の位置・開口動作と緯越し・楽な姿勢で織る
- トラブルの解決法―綜絖と筬の高さの調整・長尺をほどく緊急処置法・経糸が切れた場合の繋ぎ方・経継ぎの方法・三丁杼で織りむらをなくす
- 良い織物を織るための工夫―綜絖のぶれを防ぐ・踏木の多い時のタイアップ・織耳の状態は異常のシグナル・綾竹の移動は機を下りて・全体を眺めて織る・大は小を兼ねないこともある・昔は猫の毛、今ソフトシール・糸に糊付けは必要か?・織り込む時の緯糸の長さは・緯糸の継ぎ方・経糸を追加する方法
③基本の組織と組織図の描き方
- 織物組織の基本―平織・斜紋織(綾織)・朱子織
- 織物の仕組みを理解する―「順通し」と「飛び通し」・二段ロクロ綜絖の仕組み
- 組織図を描く―実際に組織図を描く・六枚綜絖の市松織・ロクロ仕掛の裏技・補助具を使ったタイアップの方法
④平織で織る変化のある織物
- 変わり筬を使って織るよろけ縞―経よろけ・緯よろけ・可動式緯よろけ・密度変化筬による織物・経緯よろけ
- 強撚糸で織るしぼのある織物―風合いを演出する強撚糸の織物・撚りの知識・誰でも出来る撚り掛けの秘訣・撚り止めとしぼ出しの方法
- 平織の変化組織で織る肌触りのいい織物―保多織り・糸瓜織り・しじら織り
⑤絣を織る
- 緯絣を織る―簡単な緯絣・小綛の取り方と括り方・小綛取りの簡単な方法・すり込み・緯ずらし絣
- 経絣を織る―ドラム整経機による絣制作・手延式整経による絣制作・経ずらし絣・梯子を使った経ずらし絣・整経機による経ずらし絣・ずれてしまった絣を直す便利な道具「絣上げ」
- 絵絣の技法―調整自在の絵台が便利・種糸作り(手描きと型摺り)・種糸をガイドに絣括り・絣糸を小分けする・絵絣の織り方
⑥すくい織の技法
- すくい織を織る―すくい織を織る上で・ぬい取り・同口の引き返し・同口のすくい織・綴風すくい織・綴織
⑦花織の技法
- 花織を織る―花織に挑戦・花織の織り方・四つの花織(首里式・読谷式・与那国式・テーバナ)・織りやすい仕掛け・織り方の手順・もう一つの花織
⑧二重織を織る
- 二重組織の織物―袋織物・倍幅織物・縫目のない袋の織り方・厚地織物(接結二重織)
- 風通織の基本技法―風通織の種類・三色風通・四色風通・風通織の基本をマスターする
- 風通織絣を織る―風通織絣の技法・【市松絣】【十字絣】【いちふ絣】【亀甲絣】【ちぢみ絣】【分銅絣】【きのじ絣】・
- 二重織技法のバリエーション―風通絣の面白いアイデア・「二重織格子」の手法・表裏異組織の二重織
⑨もじり織を織る
- もじり織の基礎―もじり織の開口方法・半綜絖の仕掛け
- 紗と絽―紗と絽を実際に織る・経絽・斜め絽・菱絽・花絽
- 羅を織る―羅(網綟り)
⑩自由に組織を変えられる小型手織機
- 小型手織機の活用法―小型手織機の特徴・整経の方法・筬通し・綜絖通し・織りの手順
⑪組織織りの組織図
- 刺子織/梨子地織/ミラネーゼ/道屯(ロートン)織/昼夜織/市松絽/勾配織(紅梅織)/はち巣織/模紗織/いちらく織(一楽織・市楽織)/曲り斜文織/めがね/トンボ/吉野格子